「ポーカーとNFTゲームの共通点」コインムスメ代表 辻拓也
経営者でありながらWSOPブレスレットホルダーである、ファルコンさんこと岡村元義さんにお話を伺いました。ファルコンさんがポーカーを強くなるためにしてきたことを丁寧に語ってくださいました。ポーカーメディアPOKER PICKSがお届けします。
ポーカーを始めた経緯について教えてください。
コロナ禍になって、本業のエンターテインメント系のライブとかをやっていいかどうかわからず自宅待機みたいなときに、 「ちょっと新しくすることを探そう、ポーカーが最近来るんじゃないか」 みたいな感じで始めました。
今までに他のゲームもされてましたか?
他のゲームは、ちょうどeスポーツがプロ化する頃に、eスポーツプロになろうと思って2年間ぐらいネットゲームだけやってた時期があって。
その1年目、日本で初めて賞金800万ぐらいの大会があった時に優勝したんですけど、翌年には3位とかになっちゃって。やっぱり30歳ぐらいから始めると、ワンフレームの反射神経とかについていけなかったんです。eスポーツで世界一にはなれないなと思って、2年ぐらいでセルフ引退しました。
お強かったんですね。引退も惜しまれたことと思います。
eスポーツが来る時代が遅すぎましたね(笑)
元々ゲームが好きなのか、それともトレンドのものにご興味があるのか、どちらでしょうか。
中高の時から、ゲームセンターでやるゲームは負けた記憶があんまりなくて、やると大体1番上手いぐらいの感じでした。
当時はまだゲームをやるっていうのは社会的に良くないみたいな感じだったんですが、それが仕事化するんだったら、自分がやってみたら結構いいとこまで行くんじゃないかというような感覚でした。
ポーカーはどのように勉強されましたか?
当初はポーカーの初級者用の戦術みたいな動画を見ていて、その後は、自分なりに色々本を読んだりとかしていました。
動画って具体的には何をご覧になっていたんですか?
ポーカーの沼 っていう動画があって。ゴンゾメス大内さんの。
ポーカーのルールに始まって、コンティニュエーションベットとはなんぞやとか、初中級者にとってのバイブルじゃないかってぐらい良くできたコンテンツです。
古い順に見ていくと、勝手に初級者を脱出できる!みたいな。今見てもすごいいい動画だなと思います。
本は何を読まれたんでしょうか?
『現代ポーカー理論』;『Modern Poker Theory』 の和訳されたもの、とか。あと エド・ミラー の 『ポーカーエリートの「公然の秘密」頻度ベース戦略』 などです。
ただ、『現代ポーカー理論』は、最初読んだ時は全く意味わかんなくて、GTOの勉強とかをし始めてから、言ってることが理解できるようになりました。
そういったコンテンツの力を借りて独学でプロになられたんですね。
いや、そうやって勉強してたもののやっぱりどこか自己流で行き詰ったんです。そんなとき知人からコーチを紹介してもらいました。
コーチがいらっしゃったんですね。どんな方ですか?
GTOっていうものを日本に導入したみたいな人でglassくんっていう。
glassくんにコーチングを毎週頼むようになって、とにかくやった分のセッションを預けて、次のコーチングの時間までに分析してもらって、リークを拾ってもらったりとかしながら勉強してました。
コーチングのおかげで勉強する指標ができたみたいな感じです。
今もglassさんと一緒に勉強されているんですか?
コロナ禍が終わって海外にポーカーをしに行くようになってから、トーナメントの方にモチベーションが移行してしまって、最近はそういう勉強は全然やってないです。
トーナメントはまた違う勉強をされているんですか?
トーナメントの勉強は、 最初は ICMIZER っていうものを使って、ファイナルテーブルの時の動きとか、その特有のものをちょっと見たりとかする程度でした。 最近はほとんどプリフロップ に時間を費やしてます。
持ってるbb数とかエフェクティブスタックとかによってプリフロップが変わるのを、今は GTOWizard で簡単に学習できるので。
プッシュするところはどこなのかとか、ディフェンスどうしたらいいのかとか。もうほとんどプリフロップの勉強です。
ふぁるこんさんのように良い師匠に出会いたいけれど、そもそもどういう人を師匠にしたらよいのかとか、出会うきっかけをどう作ればいいのかとかいう悩みを抱えている人は多いと思います。
そういう人へのアドバイス、何かいただけますか?
それ、めちゃくちゃ難しくて。自分で見つけづらいなら、とりあえず 3MPC にでも入っといた方がいいんじゃないかなって。その辺やっておけばある一定レベルには間違いなくいけるし。
もうひとつは、ちょっと手前味噌になるけども、 GTO Wizardに精通しているコーチ は安心じゃないかと思います。
一定の水準を超えているっていうお墨付きがあるのは安心ですね。
誰でもコーチングしちゃう世の中なんで、間違ったことを教えちゃう人も非常に多くて。入口間違えて、師匠取り間違えると、実は師匠めちゃくちゃ下手だった!みたいなことも全然あるんで。その辺は危ういなと思います。
トーナメント中に意識されていることや戦略はありますか?
バブル前にテーブルチップリーダーになるかならないか 、2ルートだと思っています。
テーブルチップリになってバブル付近を迎えられたら、とにかく暴れ回って、もう本当にアベレージの3倍ぐらいを目指す。 そのバブルが伸びれば伸びるほど、長くかかればかかるほど増やしていくっていうチップを爆増ルート。
もしくは、バブル前のチップリ争いに敗れ去ったら、平民ルートというか。大人しくして、時にはショートでちょっと粘ってインマネして、あとはダブルアップできればまた戦えるようになっていくみたいなルート。
以前ラスワンさんにインタビューをさせて頂いて、ラスワンさんもバブルラインでチップリになることの重要性や平民ルートみたいなお話をして下さったんですが、お二人はよくそういうお話をされるんですか?
ラスワンとはかなり長く一緒にいて、「このシチュエーションどうしたらいい?」とか、「気をつけることを3項目で教えて!」とか言われて、ブレイク時間はずっとコーチングしてるみたいな感じです(笑)
昨年のラスワンさんの快進撃、師匠のふぁるこんさんから見ていかがですか?
アグレッションが足らない人のアグレッションあげるのは大変で、ラスワンみたいな、生まれ持ったアグレッションの塊みたいなやつをちょっと指南する方が、すごくうまくいきます。
どうしてもね、わかってても、もう絶対に100パーセント開けた方がいいみたいなシチュエーションがあっても、人はハンドを見てプレーしちゃう。思い切りよくいけるのは才能です。
あとは、快進撃は単純に、一言で言うと、やっぱ肩強すぎるっていうのはあります(笑)
引用:PokerGo
WSOP優勝された際、NLHとPLOが8ハンド毎に切り替わるトーナメントで優勝されたと思うのですが、PLOやその他のMixゲームの強さの秘訣について知りたいです。どのように勉強されましたか?
ソルバーとかもないんで、 プレイしてみて考えたり、近しいプレイヤーと一緒に検討したりする のが上達の近道なんじゃないかなって。
あとは、日本のアミューズでもMixゲーム流行ってきてるけど、あんまりそういうところ行かない人からすると日本人独自のMixゲームを打っているイメージがあって。
だから、 質の良い洋書 を探してきたり教わったりして、読んでみるとかのがやはり良いと思います。
Part2に続く
ポーカーピックスの編集部「ポーカーのすべてをあなたに」をコンセプトにポーカーのオリジナルコンテンツを執筆。現役プロプレイヤーやディーラーなど幅広い視点でポーカーの魅力を発信する。
WSOP2021 NLH/PLO 8 Handedで優勝経歴のあるブレスレットホルダー。EPTやWPTなど国内外問わずに活躍する。また経営者としての一面も持つ