「ポーカーとNFTゲームの共通点」コインムスメ代表 辻拓也
実は、テキサスホールデムポーカーの正確な起源というのはわかってはいませんが、テキサス州のロブスタウンという町で1900年代初頭に始まったという説が広く認知されています。その後ラスベガスが1967年に人気のあるゲームと位置付けるまで、何十年もほとんど注目されませんでした。
現在ではポーカーは、世界で競技人口がおよそ1億人と推定されており、日本でも人気爆発中。今日はそのポーカー史に残る名ハンドを見返していきましょう!ポーカーメディアPOKER PICKSがお届けします。
2003年、クリス・マネーメーカー(Chris Moneymaker)はWorld Series Of Poker (WSOP)のサテライトに$86でエントリーし権利を獲得、参加費$10000のメインイベントへの出場権利を獲得しました。そして、そのまま優勝し、250万ドルを獲得しました。
そんなマネーメーカーのラストハンドは54のオフスート。相手のサム・ファーハはJTのオフスートで、プリフロップの勝率はファーハに64%ありました。
ファーハのレイズにマネーメーカーがコール。
フロップはJ♤5♤4♧、なんとファーハはJのトップヒットでマネーメーカーは54のツーペア。
ヘッズアップという状況で、双方とても強い役がフロップでできてしまったのです。
SBのマネーメーカーはツーペアをチェックし、オリジナルのファーハのCB(コンティニュエーションベット)に対し、レイズを返しました。
それに対してなんとファーハはオールインを返し、マネーメーカーはスナップコール。
ターンは8♢、リバーは5♡で、マネーメーカーが54のフルハウスで見事優勝を勝ち取りました!
WSOPブレスレットを10個も保持する伝説的なプレイヤーであるドイル・ブランソンが同じハンドで、2年連続WSOPのメインイベントのヘッズアップで優勝し、ドイルブランソンハンドと呼ばれるようになったT2。
1回目は1976年のWSOPメインイベントのジェシー・アルトとのヘッズアップでした。
ブランソンのT2sに対してアルトはAJo。アルトのAJはヘッズアップではとても強いスターティングハンドです。アルトのレイズにブランソンはT2をコールしました。
フロップはAJTで、アルトがツーペア、ブランソンはボトムヒット。
アルトのポットサイズのCBに対し、おそらくアルトをフォールドさせようとブランソンはチップリードを持ってオールインし、アルトにコールされました。
1976年のWSOPの物語は、アマチュアのカーディーラーが世界のトッププロを差し置いて優勝を勝ち取ったサクセスストーリーになっていたかもしれませんが、ポーカーの神様は違う結末にしたかったようです。
メインイベントの歴史でも最悪のバッドビートの一つとなった1976WSOPヘッズアップ、ブランソンはターンで2、リバーでTを引き、ランナーランナーフルハウスを作り優勝賞金$220,000を獲得しました!
そして迎えた翌年のWSOPメインイベントでブランソンはゲーリー・バーランドとのタイトルを守るヘッズアップで、再びT2を手にしていました。バーランドのハンドは85o。
リンプポットで迎えたフロップはT85レインボー、ブランソンがトップヒットでバーランドは下のツーペアでした。
お互いにスロープレイでターンを見に行き、なんとターンで2が落ち、ブランソンが上のツーペアでバーランドを捲りました。
ブランソンのベットにバーランドはオールインし、ブランソンはもちろんコールしました。
そしてリバーでTが落ち、もう一度T2のランナーランナーフルハウスで優勝し、T2はこれ以来ドイルブランソンハンドというニックネームで世界に名を残しました。
前述のポーカープレーヤーたちは名だたる世界の有名プレーヤーたちですが、最近では日本人ポーカープレーヤーも勢いを増しています。
その代表となるのが、ポーカー系Youtuberとしても活躍する世界のヨコサワさんが45位で入賞し、$188,400(約2600万円)の賞金を獲得した2023年のWSOP。Day6のラストハンドがターニングポイントとなりました。
7人テーブルのブラインド100000/200000/200000、ヨコサワさんはUTGで2♤2♡を450000にレイズ。BBがコールしヘッズアップでフロップを迎えました。
フロップは8♧T♤6♤。
BBが425000のドンクベットをし、UTGのヨコサワさんはコールしました。
ターンは2♧で、ヨコサワさんは2のセット(スリーカード)ととても強い役に発展したのですが、BBの1100000のCBにヨコサワさんはもう一度コールし、リバーを迎えました。
リバーはK♡、BBはオールイン。
ヨコサワさんはスナップコールし、ショーダウンした相手のハンドはなんと6♡6♧で、上のセットだったのです。
セットオーバーセットでかなりチップを減らし、惜しくもDay7にショートスタックで通過することになってしまい、そのままDay7でシートアウトしました。
この戦いを制していれば、手が届くかもしれなかった日本人初のWSOPメインイベント優勝。ある意味これは未来への道を切り拓く重要な布石になったのではないでしょうか。
日本のポーカー史が大きく動いたのは昨年度末に行われたWSOP Paradiseで、Oya Masashiさんが$100,000と参加費最高額のウルトラハイローラーで優勝し、日本円にして4億円の優勝賞金を獲得した時です。ヘッズアップでのラストハンドはナッツ対セカンドナッツと胸が熱くなる戦いが繰り広げられました。
Oyaさんのヘッズアップの相手はジェイソン・クーン。
SBのクーンのリンプに、OyaさんはBBでチェックし、フロップは9♢7♡5♢。
両名ともチェックし、ターンは8♤が落ちました。
ここでOyaさんが打ち出し、クーンはコール。
運命のリバーは4♤でOyaさんがオールイン。
クーンは6を持っていてストレートにもかかわらず、OyaさんがT6の上のストレートを持っていると考えフォールドも検討していました。しかしヘッズアップでセカンドナッツを降りられず、最終的にはチョップだといいなと言いながらコールし、Q6対T6でOyaさんが優勝を決めました!
出典:
https://www.pokernews.com/tours/world-series-of-poker-paradise/2023-wsop-paradise/event-9-100-000-ultra-high-roller/chips.615116.htm
これらのエピソードから分かるように、ポーカーは人生を180度変える可能性を秘めています。ポーカーの魅力は、なんと言ってもその予測不可能な要素とロマン!いい大人の胸をこんなにときめかせてくれるゲームが他にあるでしょうか。
もしかしたら、あなたの人生もワンハンドで大きく変わるかもしれませんよ!
ポーカーピックスの編集部「ポーカーのすべてをあなたに」をコンセプトにポーカーのオリジナルコンテンツを執筆。現役プロプレイヤーやディーラーなど幅広い視点でポーカーの魅力を発信する。