「ポーカーとNFTゲームの共通点」コインムスメ代表 辻拓也
JOPT・ハンターサイトの代表変更に伴い、これからのポーカー業界を背負う代表取締役社長の亀井翼さん、白石勝樹さんに、これまでの歴史や今後の目標などを沢山語っていただきました!ポーカーメディアPOKER PICKSがお届けします。
過去のご経歴も含めて、自己紹介をお願いします。
亀井翼です。昭和60年4月18日生まれの39歳で、この度7月にJOPTの代表取締役社長に就任しました。 元々、横河電機というメーカーに11年間勤め、主にアジアエリアのマーケティング担当をしていました。 元々、「好きなことで経営をする」という漠然とした人生の目標がある中で、30歳超えてポーカーという好きなことと出会えたこと、コロナ禍のタイミングで 前代表の藪内さんからこのグループにジョインしないかというお誘いがあり、ちょうどよいタイミングだと思い、この業界にオールインしました。 まずは新宿でCasino Live Tokyoという店舗をオーナー兼店長として立ち上げました。その後、アミューズメントカジノ店舗事業において、新宿と池袋のエリア統括職を担当し、その後、前代表から後任として、ジャパンオープンポーカーツアー株式会社の代表への就任の打診をいただき、お引き受けさせていただいたという感じです。
白石勝樹です。昭和56年7月3日生まれの43歳です。 アミューズメント事業にはディーラーとして入りました。 その後ディーラースクール日本カジノ学院というところで、ディーラー関連に力を入れて今まで尽力してきました。 JOPTをはじめとする大型大会へディーラーを派遣する立場として関わりを持たせていただいていました。それと同時に、日本ポーカー連盟に設立時より、理事として在籍しました。 そして、2023年の春にハンターサイト株式会社に入社し、カジノ店舗事業統括を経験し、この度、ハンターサイト株式会社代表取締役に後任者として指名されました。
これまでのハンターサイトの遍歴について教えてください。
(白石)2006年にハンターサイト株式会社は設立されました。 2007年の翌年に秋葉原で「アキバギルド」をオープンし、それ以降は東京、大阪、名古屋エリアを中心に、当社の事業の主軸としてアミューズメントカジノ店舗を展開・運営しております。 もう1つの軸となる事業として、コンセプトカフェ事業があります。これも秋葉原を中心に、2011年に第1号店となる女神の中庭 クイーンズコートというお店を口切りに、秋葉原で3店舗、池袋で3店舗、名古屋3店舗、新宿4店舗、赤坂1店舗を出店しております。 そして、2011年にJOPTジャパンオープンポーカーツアーがスタートします。 最初はJPTという名前でアキバギルドの店舗からスタートして以来、着実に成長を続け、2016年にイベント事業の運営会社としてジャパンオープンポーカーツアー株式会社を設立、今現在に至ります。 集客面において、アミューズメント店舗事業とイベント事業に大きなシナジーがあったおかげで現在に至る形になっております。
各大会の狙いと魅力について教えてください(SPADIE,U-30,戦国,Masters,JOPT)
(亀井)SPADIEは、アミューズメントカジノ店舗から大型トーナメントへのファーストステップとしての位置づけで、主にライト層のプレイヤーの方々をターゲットとしています。 U-30は文字通り、30歳以下の制限を設けており、若年層がターゲットです。U-30の面白いところは、プレイヤーだけでなく、運営スタッフも全員30歳以下であるという点です。運営サイドにおいては、育成という位置付けの大会になってますね。 戦国ポーカーツアーは、文字通り「戦国時代をイメージした会場で、戦国武将として成り上がり、ポーカーで天下布武を目指せ!」というのがコンセプトになっています。会場装飾とか衣装とか、プライズとかも刀だったり、 そういう戦国の雰囲気作りというのを強く意識して、エンターテインメント性を売りにしたイベントとしています。
(亀井)Mastersは、コンセプトが「日本からWSOPメインイベントのファイナリストへ」であり、主に中級者、上級者をターゲットにしています。 5年とか10年やってるような玄人のプレーヤーの方が割と多く参加するようなイベントになっていますね。 JOPTは、規模、品質、プライズなどあらゆる面で、日本のポーカーの最高峰のイベントとなるように意識してます。 ゲームにおいても、テキサスホールデムはもちろん、その他のミックスゲームとか、サイドイベントのラインナップもいろんなルールを取り揃えてます。 JOPTは会社の名前そのものである看板イベントとして、「すべてのポーカーに、白熱を。」をコンセプトに、大人たちが本気で白熱する環境をお届けさせていただくということを目指してます。
ユーザーのセグメントがきっちり分けられてると思うのですが、ターゲットの分析みたいなところも普段からかなりされてるんですか?
(亀井)私は元々前の会社にいたときからマーケティングをやっていたので、意識してますね。 それぞれのブランドごとにターゲットの選定を行い、それにもとづいてコンセプト設計やプライシングが正しく行われているのか、というのは特に意識しています。 あと、全てのブランドのポートフォリオマネジメントは意識してますね。これはお客様のニーズに応えていくことと、競合対策の観点から重要だと考えています。
最近だとSHIBUYA POKER FES.があったと思うのですが、どのような目的があって開催されたのでしょうか?
(白石)会場のBEAMのオーナーである東急不動産様からポーカーイベントでの使用についてのオファーをいただいたことをきっかけに、開催する運びとなりました。 SHIBUYA POKER FES.には「渋谷エリアのローカルイベント」というテーマがありました。エリアを限定して、そのエリアで系列を超えた協力店舗様と共に盛り上げるというところが他のイベントと違う所です。 僕たちの中でも初の試みでした。1回目なので至らない点もかなり多かったんですけど、継続して町を使ったイベントとして盛り上げられたらよいと考えています。
これまでの事業拡大の大きな起点となるものを例として3つほど教えていただきたいです。
(白石)まず一つ目はアミューズメント事業の拡大ですね。 秋葉原のメイドカジノでポーカー事業の基盤を作り、東京ビックサイトのフランチャイズショウに出店したことで、アミューズメントカジノの認知度が広がったことが起点となっていると思います。 二つ目は大型トーナメントの開催です。 JOPTをはじめとする大型大会があることによってポーカーの認知度が広がり、それに出場するためのサテライトを店舗で開催することで、大会のみならず、店舗としてのお客様の集客にもつなげています。
コロナ禍など危機的フェーズなどありましたか?またどのように乗り越えられたのでしょうか?
(白石)コロナ時期には危機とチャンスが同時に訪れました。 危機は店舗運営についてです。集客が落ちましたし、店を開けられない状況もありました。スタッフの出勤を制限したり、我々にできるコロナ対策を取りながら、赤字をできるだけ抑える努力をする必要がありました。
(白石)一方で、トーナメントについてはチャンスとなりました。 バグース様でJOPTを開催していましたが、飲食店営業許可店舗への東京都の防災指示の関係でトーナメント開催が出来なくなりました。しかし、より広い竹芝のポートホール様がトーナメントでの会場の使用を承認していただくことができ、トーナメント規模の拡大につなげることができ、具体的なテーブル数でいうと30台から65台まで拡大することができました。ここが1つの日本におけるトーナメントの転換期だと言えます。 その後、東京都の防災指示で、コンサートなどの集会が禁止となりましたが、ポーカートーナメントについては、お客様ではなく、競技プレイヤーという理解のもとで東京都の防災の許可を得ました。オリンピックの無観客試合と同じ理由です。 また、コロナ禍で家で過ごす時間が増えている方が多い時期に、世界のヨコサワさんのYouTube動画を見たりして、ポーカー人口がとても増えたというのも追い風となったと考えています。
(亀井)アフターコロナの世界のポーカートーナメント事情ですが、いかに自国のイベントに国外プレイヤーに参加してもらうか、というのがトレンドになってきています。 JOPTでも海外のプレイヤーを獲得するために、海外の大会と相互に協力しあっています。私たちのミッションの一つですが、東京で世界中のプレイヤーが多く集まるような国際的なイベントにしていきたいです。
御社の強みを3つ教えてください。
(亀井)JOPTは、まず「ブランド力」がやっぱり強いかなと。おこがましいかもしれないですけど、日本一のポーカー大会は何か?というアンケートを今行ったとしたら、多くの方が我々を挙げてくださる状況にあるのではないでしょうか。 2011年からずっと積み重ねてきた実績やクオリティにもとづく信頼や安心感が大きいと思いますし、ここはやっぱり一番強いと思います。 ブランドとはお客様との約束だと考えています。「JOPTに参加する事は楽しい」、「JOPTで活躍する事がステータスになる」、「JOPTに参加することがカッコイイ」、「アジアで見ても最大規模のスケール感」など、来てくださるお客様に、様々な満足感をお約束してきました。これからもイベント事業を継続、発展させていくことで、皆様の期待に応えていきたいです。
(亀井)二つ目はやっぱり「人材」ですね。ノウハウをもった経験値のあるスタッフ、現場力の高いスタッフが多くいることが強みです。今後も採用や育成に力を入れ、継続性のある強いチームづくりを行っていきます。
(亀井)三つ目は「ネットワーク力」だと考えています。特に国内において、とても多くの店舗様にJOPTの予選となるサテライトを開催していただいており、色々な店舗様から送客いただいたり、スタッフを派遣いただいたり、様々なフィードバックを得ることができています。今後はさらに主にアジアエリアの海外大会との連携を強化し、そのネットワークをグローバルに広げていきたいと考えています。
(白石)ハンターサイト社の強みは、アキバギルドでの17年にわたる豊富な経験と実績です。その間に培った知識、技術、人材、信頼、そして顧客基盤が、現在のハンターサイトにしっかりと集約され、成長の原動力となっています。これにより、ハンターサイト社は業界での確固たる地位を築き、持続的な発展を遂げています。
この度の代表変更の背景について教えてください。
(白石)僕はもう43歳なんですけど、若い世代の架け橋という立場かなと認識してますね。ハンターサイトだけではなく、この業界として新しい風が入ってきたな、出ていったな、というインアウトの流れを見てきたので、今後も架け橋という立場で貢献できると思っています。 持ち前のコミュニケーション能力を使って、ここまで守り続けたものを継続しつつ、ディーラー業がすごく好きなので、そういったところに着目して新しい流れを作っていきたいなと思ってます。
(亀井)私の方は想像ですけど、新宿と池袋エリアの統括職として商圏を拡大したり、店舗の業績を向上させた実績、マーケティング力などを藪内さんに買っていただいて、JOPTの後継を任せようという風に思っていただいたのかな、と思います。
海外事業者との提携を盛んに行われておりますが、その目的を教えてください。また今後の展望はありますか?
(亀井)相互送客、協賛の獲得、スタッフ交流を主な目的としています。 今だと、具体的には、APTさんの方で協賛いただいたり、ポーカーウェブコインを現地で使用していただけるようにしたりとか、 そういった連携をしています。あとはKSOPさんのチケットをJOPTでも使えるようにしたり、相互にディーラーを派遣したりとか、そういった交流を行っています。
(亀井)さらに、今後はポーカーとセットで日本の魅力も伝えられるような、そのパッケージ化を見据えていきたいです。 例えば札幌だと、ウィンタースポーツもそうですし、あと食べ物も美味しいですしね。海外の方が JOPTに行って、観光も楽しもう!みたいな、流れを作ることができるといいのかな、と思っていますね。
(亀井)また、我々がグローバルスタンダードを目指していくという方向を打ち出しているので、 海外大会との交流をしてより世界を知る必要があります。 大会運営を通じて交流していく中で、我々の中核となるメンバーが、海外とのギャップを把握したりとか、ギャップをどう埋めていくのかとか、あるいはより良いものを作るためのヒントを得たりすることが重要だと考えています。そのためには海外への派遣をするというのは欠かせないというのがあります。やはり人材が重要ですから。
POKERWEB COINの導入背景と今後のPOKERWEB COINの活用方法についておしえてください。
(白石)これ皆さん聞きたいですよね。まずはこのWEB COINについて、うちの系列だけで言うと、あくまでも選手契約のためのものという説明が1番わかりやすいのかなと。 お客様に大会や店舗でポーカー競技を楽しんでいただいて、その評価がいわゆるグローバルスタンダードであれば賞金というのが一般的です。 ただ、日本はカジノがまだない国で、アミューズメントとしてどういう風に評価をするのが望ましいのかを考え、選手契約の形がベストだという判断となりました。あくまでも競技結果を評価をし、それに対するポイントというような位置づけです。そして、そのポイントはAPTをはじめとする海外大会でもお使いいただけるというイメージです。
(亀井)今後は、POKERWEB COINをご使用いただける大会のネットワークをさらに広げていきたいと考えています。
様々な大会で使えるのはプレイヤーにとっても嬉しいですね!
(亀井)僕たちもシステムをお借りして、システム料を支払っている立場ですが、アミューズメント店舗でどのように使用していくのかというのは、アプリ側から一定程度の方向性を示すべきなのかなと思います。 それに対して、例えば今、日本ポーカー連盟が選手契約をする形ということで、選手契約フォームを日本ポーカー連盟に情報を送っており、あくまでも店舗はタッチしていないです。 この結果を連盟様に報告させていただきますと、それ相応の評価額がCOINのポイントとして付与されますというスキームです。
(亀井)あとは大型大会が脱オンラインをやるということは、その莫大な協賛金を一般企業様から集めなければならないという、ゴルフと一緒になりますよね。 参加費払って、施設使用料としてゴルファーが払う、 大企業さんが賞金として、協賛として賞金を支払うという。 これはもしかしたらもうマイクロで見ると店舗もそうなのかなと。 それで視覚化されるポイントとして、今後COINというのを皆さんに理解していただければ、非常に分かりやすい評価ポイントとして成り立つんじゃないかなという風に思ってますね。
直近のスポンサード関連での変更点はありましたか?
(亀井)タイムリーな話題として、日本ポーカー連盟がオンラインポーカーに関連するスポンサーシップの受け入れを控えるという方針になったというのがあります。それを受けて、JOPTをはじめとする大会のスポンサーシップについても脱オンラインの方向に大きく方針転換することになりました。 ただ、我々のスタンスというのは実は変わっていなくて、警察の指導には従うというものです。今回も警察の指導に基づく連盟の方針に沿った判断をしました。
業界に激震が走りましたよね。今後は別に協賛者さんを探す予定なのでしょうか?
(亀井)はい、今後は主に海外のトーナメント大会ブランドや一般企業様からの協賛をいただくことを強化していこうと考えています。 これまでオンラインポーカーからのスポンサーシップが、我々の大会の規模やプライズを実現する上で大きかったというのは間違いなくありますが、我々は「グローバルスタンダードの実現」というのを掲げている以上、プレイヤーから見た実質的な還元率というのも、やっぱりそこに近づけていきたいなと想いはブレずに持っていきたいですし、それに対する最大限の努力はしていきたいと思っています。
国内で複数の事業者が大会運営をされ始めたと思うのですが、どのように捉えていますか?
(亀井)日本のポーカーシーンが盛り上がるという点において、私も元々プレイヤーでしたし、プレイヤー視点で見ると、選択肢が増えるということになって良いと思います。 大会事業者同士としてみたときに、どうしても競合になってくるというところは否定しませんが、その中でもお互いに切磋琢磨し、良い大会を作っていけたらと思います。 また、業界全体として市場やプレイヤーの急速な拡大に対して、運営スタッフの育成が、正直追いついてないというのがあると考えています。そのため、状況によってはその人材の相互派遣とか、そういった連携などもこれから視野に入ってくるのかなとは考えています。
(白石)人材確保はまだまだニッチで、「ディーラーをやってみたい」という言葉がカジノがない国で出るというのは、ポーカーに関わりのない方からすると、多分わからないですよね。 業界にいるからアミューズメントって聞き慣れてると思うんですけど、ここだけで爆発的に今人気で、どうやって殻を破って人材を確保していこうという、もうまさにそのタイミングなんですよね。 その分、いろんな大型の大会があるとその分、露出する状況にはなるので、 その裾野は広がるかなと思います。一般の方に少しでもそういう目に映るものの材料としてはいいのかなと思います。 さっき掲げたようなグローバルスタンダード、この理念に思いを同じくしていただける大会さんとは多分連携できるし、していきたいなと思います
最後に今後の目標を教えてください。
(白石)アミューズメントカジノは店舗事業ですので、店舗に関わる全ての人たちが安心して働ける、安心して遊べる環境作りを運営チームがやらないといけないというのがまず第一です。 あとこれは僕の人生のテーマなんですけど、カジノがない国でこれだけのディーラー数が必要というところで、やはり価値を持った職業として、確立させていけたらと思っています。 あとは日本から世界へや、渋谷から世界へというコンセプトが元々のアミューズメントでもあったんですが、今後はインバウンドを意識した英語対応など、そういったホスピタリティの部分を確立していければと思っています。
(亀井)ポーカーは競技であり、エンターテインメントですよね。これを、プレイヤーの方々に安心かつ安全に楽しんでいただくというのがアミューズメントなので、その環境を継続的に提供させていただくということが大事だと思っていますし、そのために必要な努力、調整を最大限行っていきます。 その上でさらに、グローバルスタンダードに少しでも近い競技環境を日本でどれだけ実現できるのかということに挑戦していくこと。これが今後の目標というか、もう使命だと思っているので、それを果たしていきたいという想いが強いです。
ポーカーピックスの編集部「ポーカーのすべてをあなたに」をコンセプトにポーカーのオリジナルコンテンツを執筆。現役プロプレイヤーやディーラーなど幅広い視点でポーカーの魅力を発信する。